ケアプランの軽微な変更(最新情報155)

引き続き、
介護保険最新情報Vol.155

「介護保険制度に係る書類・事務手続きの見直し」に関するご意見への対応について

より
(なお、「以下同文」部分は、当方(引用者)が省略しました。原文はご丁寧に全部書かれています。)

3 ケアプランの軽微な変更の内容について(ケアプランの作成)

「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(平成11年7月29日老企22号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)」(以下、「基準の解釈通知」という。)の「第Ⅱ 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」の「3運営に関する基準」の「(7)指定居宅介護支援の基本取扱方針及び具体的取扱方針」の「⑯居宅サービス計画の変更」において、居宅サービス計画を変更する際には、原則として、指定居宅介護支援等の事業及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚令38、以下「基準」という。)の第13条第3号から第11号までに規定されたケアプラン作成にあたっての一連の業務を行うことを規定している。
 なお、「利用者の希望による軽微な変更(サービス提供日時の変更等)を行う場合には、この必要はないものとする。」としているところである。

サービス提供の曜日変更
 利用者の体調不良や家族の都合などの臨時的、一時的なもので、単なる曜日、日付の変更のような場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
 なお、これはあくまで例示であり、「軽微な変更」に該当するかどうかは、変更する内容が同基準第13条第3号(継続的かつ計画的な措定居宅サービス等の利用)から第11号(居宅サービス計画の交付)までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである。


サービス提供の回数変更
 同一事業所における週1回程度のサービス利用回数の増減のような場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
 なお、これはあくまで例示であり、(以下同文)

利用者の住所変更
 利用者の住所変更については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
 なお、これはあくまで例示であり、(以下同文)

事業所の名称変更
 単なる事業所の名称変更については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
 なお、これはあくまで例示であり、(以下同文)

目標期間の延長
 単なる目標設定期間の延長を行う場合(ケアプラン上の目標設定(課題や期間)を変更する必要が無く、単に目標設定期間を延長する場合など)については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
 なお、これらはあくまで例示であり、(以下同文)

福祉用具で同等の用具に変更するに際して単位数のみが異なる場合
 福祉用具の同一種目における機能の変化を伴わない用具の変更については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
 なお、これはあくまで例示であり、(以下同文)

目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更
 目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
 なお、これはあくまで例示であり、(以下同文)

目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合
 第一表の総合的な援助の方針や第二表の生活全般の解決すべき課題、目標、サービス種別等が変わらない範囲で、目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
 なお、これはあくまで例示であり、(以下同文)

担当介護支援専門員の変更
 契約している居宅介護支援事業所における担当護支援専門員の変更(但し、新しい担当者が利用者はじめ各サービス担当者と面識を有していること。)のような場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
 なお、これはあくまで例示であり、(以下同文)


4 ケアプランの軽微な変更の内容について(サービス担当者会議)

 基準の解釈通知のとおり、「軽微な変更」に該当するものであれば、例えばサービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものではない。
 しかしながら、例えば、ケアマネジャーがサービス事業所へ周知した方が良いと判断されるような場合などについて、サービス担当者会議を開催することを制限するものではなく、その開催にあたっては、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定される。

サービス利用回数の増減によるサービス担当者会議の必要性
 単なるサービス利用回数の増減(同一事業所における週1回程度のサービス利用回数の増減など)については、「軽微な変更」に該当する場合もあるものと考えられ、サービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものではない。
 しかしながら、例えば、ケアマネジャーがサービス事業所へ周知した方が良いと判断されるような場合などについて、サービス担当者会議を開催することを制限するものではなく、その開催にあたっては、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定される。

ケアプランの軽微な変更に関するサービス担当者会議の全事業所招集の必要性
 ケアプランの「軽微な変更」に該当するものであれば、サービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものではない。
 ただし、サービス担当者会議を開催する必要がある場合には、必ずしもケアプランに関わるすべての事業所を招集する必要はなく、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定される。
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モニタリング減算の例外(最新情報155)

介護保険最新情報Vol.155

「介護保険制度に係る書類・事務手続きの見直し」に関するご意見への対応について


   老介発0730第1号
   老高発0730第1号
   老振発0730第1号
   老老発0730第1号
   平成22年7月30日

各都道府県介護保険担当課(室)
各市町村介護保険担当課(室) 御中
各介護保険関係団体

   厚生労働省老健局介護保険計画課長
           高齢者支援課長
           振興課長
           老人保健課長

   「介護保険制度に係る書類・事務手続の見直し」に関するご意見への対応について

 介護保険制度に係る書類・事務手続については、書類作成や事務手続が煩雑で、関係者の負担となっているとの意見があることから、本年2月3日から3月31日までの間、広く利用者、事業者、従事者、自治体等関係者の皆様からご意見を募集したところです。
 この度、本募集において提案されたご意見のうち、早期に対応が可能なものについて、別添のとおりといたしますので、趣旨をご理解の上、管内市(区)町村、関係団体、関係機関に周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾のないよう願います。


介護保険制度に係る書類・事務負担の見直しに関するアンケート(「早期に対応が可純なもの」に関する対応) (別添)

I 居宅介護支援・介護予防支援・サービス担当者会議・介護支援専門員関係

1 居宅介護支援

(3)緊急入院等におけるモニタリングの例外について

 基準の解釈通知の「第Ⅱ 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準3運営に関する基準(7)指定居宅介護支援の基本取扱方針及び具体的取扱方針⑬モニタリングの実施」において、「特段の事情のない限り、少なくとも1月に1回は利用者の居宅で面接を行い(以下略)」とされている。
 さらに「特段の事情」とは、「利用者の事情により、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接することができない場合を主として持すもの」としているところである。

 従って、入院・入所等利用者の事情により利用者の居宅において面接することができない場合は「特段の事情」に該当し、必ずしも訪問しなければ減算となるものではない。

 ただし、入院・入所期間中でもモニタリングをしていく必要性はあることから、その後の継続的なモニタリングは必要となるものであり、留意されたい。

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この介護保健最新情報Vol.155については、何かと話題になる部分があると思いますが、
とりあえずこの問題。

「利用者の入院など、利用者側の事情により居宅での面接ができない(ケアマネ側の都合によるものではない)場合には、モニタリング減算の対象とはならない」
というのは、報酬告示や留意事項通知などを読めば当然に理解できる話です。

それを、わざわざ介護保険最新情報で通知しなければならない状況(勘違いしている自治体がある、あるいは、あった)自体が問題なのですがが、ともかく明示されたのは評価したいと思います。

熱中症環境保健マニュアル

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環境省「熱中症環境保健マニュアル」(2009年6月改訂版)より
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual.html


・意識がない(呼びかけに対して返事がおかしい)

 → 救急隊を要請


・水分を自力摂取できない
・水分や塩分の補給を行っても症状が改善しない

 → 医療機関へ搬送



<参考>環境省熱中症情報
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/index.html

トマト丼

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猛暑で食欲も落ちがちなので・・・


冷蔵庫から冷えたトマトを取り出し、

適当に細かく切って、

適当にオリーブオイルと「めんつゆ」で味を調え、

適当にネギと刻み海苔を添えてご飯にぶっかけました。


手抜きの割にはよかったかも。

やはり上流の荒廃が気になる

関東甲信以西では梅雨明けしたと見られていますが、
広島県庄原市など、各地で豪雨による災害が猛威を振るっています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100717-00000010-maip-soci


庄原市のホームページで人口統計を調べてみました。
(平成22年6月末現在 住民基本台帳登録人口)

総人口:40,857人
65歳以上人口比率:37.4%
75歳以上人口比率:23.5%

こっちの記事で書いた自治体と同等以上に、高齢化あるいは過疎化が進行しているといえましょう。
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/21410840.html


そして、冒頭にリンクを張った毎日新聞の記事の写真を見ると、針葉樹ばかりが目につく印象です。

災害にはさまざまな要因があると思いますが、針葉樹林、それも手入れが行き届きにくい過疎地域での山林の状態が、影響しなかったとは考えにくいところです。
(もちろん、地元の方々を責めているのではなく、防災の点からも過疎や森林施策について問題を考えなければならないのではないか、ということです。)

通所介護の機能訓練指導員

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準
(平成11年厚生省令第37号)

第93条 指定通所介護の事業を行う者(以下「指定通所介護事業者」という。)が当該事業を行う事業所(以下「指定通所介護事業所」という。)ごとに置くべき従業者(以下この節から第四節までにおいて「通所介護従業者」という。)の員数は、次のとおりとする。
 四 機能訓練指導員 一以上

4 第一項第四号の機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者とし、当該指定通所介護事業所の他の職務に従事することができるものとする。

平成11年老企第25号

第1 基準の性格
1 基準は、指定居宅サービスの事業がその目的を達成するために必要な最低限度の基準を定めたものであり、指定居宅サービス事業者は、常にその事業の運営の向上に努めなければならないこと。

第3 介護サービス
六 通所介護
1 人員に関する基準
(3)機能訓練指導員(居宅基準第93条第6項)
 機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者とされたが、この「訓練を行う能力を有する者」とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する者とする。ただし、利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練については、当該事業所の生活相談員又は介護職員が兼務して行っても差し支えない。

平成18年4月改定関係Q&A Vol.6※

Q:機能訓練指導を行わない日についても機能訓練指導員を1名以上配置しなくてはならないのか。

A:通所介護事業は、必要な機能訓練を行うこととしており、機能訓練指導員を1名以上配置する必要がある。
 ただし、機能訓練指導員は提供時間を通じて専従する必要はなく、機能訓練指導を行う時間帯において、機能訓練指導のサービスの提供に当たる機能訓練指導員を1名以上配置する必要がある。なお、機能訓練指導員は当該指定通所介護事業所の他の職務に従事することができることとしているほか、利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練については、生活相談員又は介護職員の兼務を認めているところである。


書き込みやスレッドの削除など、いろいろ話題になったらしいテーマです(謎)
まあ、経緯はどうであれ、議論の過程がなるべく削除されない方が私は好きですが・・・よその管理者の方々の判断なので。


基準省令(平成11年厚生省令第37号)や解釈通知(平成11年老企第25号)やQ&Aを素直に読むと、
1)機能訓練指導員は常勤でなくてもよいし、サービス提供時間帯を通じての配置でなくてもよい。
2)「1名以上の配置」があればよく、常勤換算何人以上という基準はない。
3)「利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練」以外については、機能訓練を行う時間帯には機能訓練指導員を配置する必要がある。
ということは、

機能訓練指導員が配置されていない日は、「利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練」以外の機能訓練はできない。

となります。

そういう日が、月のうちどれぐらいあるのか。

1日、2日なのか、29日間あるのか、ということによって、イメージも大幅に変わってくると思います。


※ところで、このQ&A、よく読むと、日本語としては質問に対して明確には答えていないと思うのですが・・・

たとえば、
機能訓練指導員は毎日1名以上配置する必要はないが、配置しない日は
「利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練」以外の機能訓練は行えない。
そういう日が続くことは、通所介護のサービスの理念から見て適当とはいえない。
というような回答なら、少なくとも日本語としては明確になると思うのですが。

もちろん、最後の一文が、
「そういう日が続いたとしても、利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練が適切に行われていれば、通所介護として不適当とは断定できない。」
という表現でも、日本語としてはアリだとは思います。

通院が困難な利用者

平成12年3月1日付け老企第36号
「第二 居宅サービス単位数表(訪問介護費から通所リハビリテーション費まで及び福祉用具貸与費に係る部分に限る。)に関する事項」より

4 訪問看護費
(1)「通院が困難な利用者」について
 訪問看護費は「通院が困難な利用者」に対して給付することとされているが、通院の可否にかかわらず、療養生活を送る上での居宅での支援が不可欠な者に対して、ケアマネジメントの結果、訪問看護の提供が必要と判断された場合は訪問看護費を算定できるものである。「通院が困難な利用者」の趣旨は、通院により、同様のサービスが担保されるのであれば、通院サービスを優先すべきということである。

5 訪問リハビリテーション費
(2)「通院が困難な利用者」について
 訪問リハビリテーション費は「通院が困難な利用者」に対して給付することとされているが、通院によるリハビリテーションのみでは、家屋内におけるADLの自立が困難である場合の家屋状況の確認を含めた訪問リハビリテーションの提供など、ケアマネジメントの結果、必要と判断された場合は訪問リハビリテーション費を算定できるものである。「通院が困難な利用者」の趣旨は、通院により、同様のサービスが担保されるのであれば、通院サービスを優先すべきということである。

<2012/6/23追記、2013/11/24修正>
訪問リハについては、H24.4改定で

通所リハビリテーションのみでは、家屋内におけるADLの自立が困難である場合の家屋状況の確認を含めた訪問リハビリテーションの提供など、ケアマネジメントの結果、必要と判断された場合は訪問リハビリテーション費を算定できるものである。「通院が困難な利用者」の趣旨は、通院により、同様のサービスが担保されるのであれば、通所系サービスを優先すべきということである。

という表現に変わっています。

あちこちで記事になっていたり、議論の過程で紹介されていると思うので、念のため、ですが、
通院ができていたとしても、訪問看護や訪問リハの利用は可能な場合があります。

なお、訪問リハと通所リハも併用不可ということではありません。

古いテープ

ずっと以前のミュージックテープを聴いてみた。

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たぶん、前世紀の、80年代の終わりか90年代初期に編集したもの。

あ、「PERSONZ」が「PERSONS」になってる(汗)

メジャーどころのマイナーな曲とか、マイナーどころのマイナーな曲とか(苦笑)

なんにせよ、これまで、こういう道を歩いてきたのだから。

これからも。


おまけ。
イメージ 2

経済同友会の提言

今さら感もありますが・・・

「自己負担割合、2割に引き上げを」介護保険で経済同友会提言

(2010.6.28 15:33 産経ニュース)

 経済同友会は28日、介護保険制度の抜本見直しを求める提言を発表した。将来も安定した保険制度を続けるために現在の介護予防サービスのうち要支援1と2、比較的軽度な要介護1を介護保険の対象外とし、自己負担割合も現行の1割から2割に引き上げるべきだとしている。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100628/biz1006281535010-n1.htm


だから、こういう記事を書いたりもしていたのですが(苦笑)
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/25902272.html


で、別の角度からの指摘を、この提言の本体より引用しながら。(太字強調は引用者が行いました。)
http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2010/100628b.html

 公的制度においては、限りある財源を効果的に使い、真に必要な介護保障を確実に行うという観点から、保険対象とするサービスを峻別し、より重度の利用者に重点的に給付するべきである。軽度の利用者については、過剰なサービス供給がかえって状態の悪化を招き、自立促進に逆行するという指摘もある。したがって、介護予防サービスが提供される要支援1、2と、比較的軽度な要介護1の利用者へのサービスは、保険の対象外とするべきである。
 また、自己負担を介護サービス費用の1割から2割に引き上げる。なお、自己負担が高額となり、現行制度において設けられている所得に応じた自己負担の上限額を上回る場合には、高額介護サービス費の支給を受けることができる。

 現行制度を前提に、将来の介護費用と、サービス利用における自己負担分を除いた給付費を簡単に試算すると、2030年時点での介護費用は、約21.6兆円(対GDP比3.2%)、給付費は約20兆円(対GDP比2.9%)となった。
 一方、上記の保険対象となるサービスの重点化を行うことにより、2030年時点の介護費用は、約4兆円抑制され、約17.7兆円(対GDP比2.6%)となった。
 加えて、自己負担割合を引き上げることにより、給付費は、約5兆円抑制され、約15兆円(対GDP比2.2%)となった。つまり、サービスの重点化と自己負担割合の引き上げにより、現行制度の将来推計に比べ、介護費用、給付費ともに対GDP比で増加が抑制されることになる。

「軽度の利用者については、過剰なサービス供給がかえって状態の悪化を招き、自立促進に逆行するという指摘」(この指摘自体、有識者等からの反論もあります)があるからといって、

「要支援1、2」と「要介護1」の利用者へのサービスを保険対象外とすべき

というのは、いうまでもなく暴論です。
軽度の利用者に対するサービスの提供により、重度化を予防しているという面は確かにあるからです。

私は「現行の」予防給付制度は批判していますが、介護予防という考え方自体を認めていないわけではありません。

要介護1以下の「軽度者」を介護保険の給付対象から除外すると、その受け皿が自治体の一般財源であれ、利用者の全額自己負担であれ、介護予防的利用も抑制されるでしょう。

その結果、重度者は増え、抑制どころか、下手をすれば施設給付等が大幅に増大するかもしれません。

また、軽度者の医療系サービスも介護保険の対象外となれば、その受け皿は医療保険が賄うことになるでしょうから、社会保障費としては少なくとも純減とはなりません。

そのあたりが「約4兆円の抑制」の推計に勘案されているとは思えません。

 給付の効率化としては、低所得者の施設利用における居住費、食費の負担軽減のために介護保険から補足給付を行う仕組みの見直しが必要であり、介護保障においても低所得者への公的支援は、生活保護制度によって行うべきである。

生活保護費は保険制度ではなく全額が公費なので、税金の投入量としては、むしろ増える可能性があります。
対象者の資産状況にもよるので、推計は難しいところですが、少なくともケースワーカー等の人件費分だけは、社会的負担が増えるといえるでしょう。

 今後、生産年齢層がさらに減少していくなかで、第2号被保険者(40~64歳)の保険料が負担可能な水準を超えて増加し続ければ、経済社会の活力を削ぐことになる。

経済同友会のホンネはここでしょう。
第2号被保険者の保険料だけは、雇用主の負担に直結しているから。

それを明確に述べずに、あれこれ理屈をこじつけているところに、この提言を作成した人々の心根の卑しさがあると言ったら言いすぎでしょうか。

もっとも、提言の内容すべてが無意味というわけではなく、社会保障だけでなく、税制などのあり方について検討する上での参考になるような記述もあるのですが。
おおもとが、「抑制ありき」ですから。

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