2011/11/30
被災資産の減価償却費
損失額の合理的な計算方法による損失額は、その住宅の取得価額から減価償却費の額の合計額を差し引いた金額に被害割合を乗じて計算します。
この場合の減価償却費の計算は、資産に応じた耐用年数を1.5倍した年数により計算します。
(注1)1.5倍した年数に1年未満の端数がある場合は、1年未満の端数は切り捨てます。
(注2)減価償却費の額の合計額を計算する場合における経過年数に6月以上の端数がある場合は1年とし、6月に満たない端数は切り捨てます。
また、減価償却費の計算は、旧定額法に準じて行うことになります。
【法令等】
所法49、所令85
【計算例】
[1] 住宅(法定耐用年数22年)
(22年×1.5)=33.0 ・・・・・ 33年
[2] 住宅(法定耐用年数47年)
(47年×1.5)=70.5 ・・・・・ 70年
問 中古の車両(自家用車)について大震災により被害を受けました。
この場合、損失額の合理的な計算方法において減価償却費の額の合計額を計算する場合に用いる耐用年数はどのようになりますか。
中古資産に係る減価償却費の計算上適用する耐用年数は、その取得の時以後のその中古資産の使用可能期間を見積もり、その年数によることができます。
しかし、その取得の時以後の使用可能期間を見積もることが困難な場合には、取得した中古資産が車両、建物、構築物等のように個別耐用年数が定められている資産については、次の方法で計算した年数とします。
(1)法定耐用年数の全部を経過したもの
(法定耐用年数×20%)×1.5
(2)法定耐用年数の一部を経過したもの
(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%×1.5
この場合に、その計算した年数に1年未満の端数があるときは、その端数を切り捨てた年数とし、その計算した年数が2年に満たない場合には、2年をその資産の耐用年数とします。
なお、「使用可能期間を見積もることが困難な場合」とは、その見積りのために必要な資料がないため技術者等が積極的に特別の調査をしなければならない場合や耐用年数の見積りに多額の費用を要する場合等をいいます。
また、(1)、(2)にいう経過年数が不明な場合には、その構造、形式、表示されている製作の時期等を勘案してその経過年数を適正に見積もることとします。
[1] 車両(自家用車)(法定耐用年数6年)、経過年数7年
(6年×20%)×1.5=1.8 ・・・・・ 2年
[2] 車両(自家用車)(法定耐用年数6年)、経過年数4年
[(6年-4年)+(4年×20%)]×1.5=4.2 ・・・・・ 4年
所法49、所令85、耐令3[1]、耐通1-5-4、1-5-5
損失額の合理的な計算方法による住宅の損失額は、その住宅の取得価額から減価償却費の額の合計額を差し引いた金額に被害割合を乗じて計算することとしています。この場合の減価償却費の計算は、住宅の構造に応じた耐用年数を1.5 倍した年数により計算します。
また、償却方法は、旧定額法に準じて行うこととされています。この旧定額法は、その償却費の額の合計額が取得価額の95%に相当する金額(償却可能限度額)に達するまで償却することができる計算方法であることから、耐用年数の1.5 倍の年数をすべて経過している場合であっても、住宅の取得価額の5%に相当する金額は残ることとなるため、この5%相当額に被害割合を乗じた金額が損失額となります。
(注1)1.5倍した年数に1年未満の端数がある場合は、1年未満の端数は切り捨てます。
(注2)減価償却費の額の合計額を計算する場合における経過年数に6月以上の端数がある場合には1年とし、6月に満たない端数は切り捨てます。
(注3)旧定額法は、取得価額の90%相当額に1.5 倍した年数に応じた償却率を乗じて計算します。
(注4)業務用資産のように、減価償却費の額の合計額が取得価額の95%相当額に達した後において、取得価額の5%相当額から1円を控除した金額を5年間にわたり均等償却する計算は行いません。
所令85、134[1]