不正は割に合わない

新潟市報道資料(平成25年4月26日)より

介護保険法に基づく行政処分について

 このことについて,本日,下記のとおり,介護保険法に基づく指定居宅サービス事業者等の指定を取り消す行政処分を行いました。

1 事業所の概要
 事業所名:あぁデイサービスセンターよろこんで
 運営法人:株式会社サン・ファミリー介護センター
 所在地:新潟市東区北葉町14番2号
 事業種別:通所介護,介護予防通所介護

2 取消理由
(1)不正の手段による指定
 平成24年7月,通所介護,介護予防通所介護事業所「あぁデイサービスセンターよろこんで」の指定申請にあたり,従事予定の無い者を従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表に記載するとともに,辞令を偽造し提出した。

(2)人員基準違反
 虚偽の申請により,生活相談員及び機能訓練指導員が配置人員不足となり,運営基準を満たした適正なサービスの提供ができていなかった。

(3)運営基準違反
 運営規程で定める定休日において恒常的に営業を行っていた。

(4)虚偽報告
 書面監査の際,実際には勤務していない者を勤務したこととして,勤務実績を偽造し提出した。

3 取消年月日
 平成25年5月10日

・・・ということだったのですが。

10月10日付けで、新潟地裁より破産開始決定となったとのこと。

関係のメディア(謎)によると、同社は資本金500万円。
平成22年10月設立、訪問介護を実施。
平成24年9月にデイサービス施設を開業したが、
その指定申請時に不正があったということで、上記の指定取消に。

運営基準違反だけならともかく、「虚偽」に対しては厳しく、という対応は、どこの自治体でも共通でしょう。

それにしても、指定取消から半年を経ずして破産とは。

やはり、不正は高くつく、割に合わないという典型例のようです。
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ボスポラス海峡の海底トンネル

私は、あまり政治家の外遊というのは好きではないし(特に地方自治体関係者)、
首相の場合には外訪は必要と思いながらも、今の首相は(も?)それほど好きではないのですが・・・
 
トルコのボスポラス海峡の両岸を結ぶ海底鉄道トンネルの式典については、自分でも行ってみたいなあ、と思ったりまします(笑)
 
著作権上、問題のない画像があれば一番よかったのですが・・・
 
マウスで下手な絵を書いてみます。
 
イメージ 1
 
まともな図を見たい方は、大成建設のサイトにある資料をご覧ください。
資料に「コピーフリー」ぐらい書いてあったら、このプロジェクトに関わったこの企業をもっと好きになったのですが・・・(笑)
 
海底区間が13.6km、その前後の区間が63kmで、大成建設は海底トンネル部分の担当だとか。
(トルコの企業2社とJV(共同企業体)を組んでいる。)
 
津軽海峡の青函トンネルが、海底部23.3km、全長53.85 km、
英仏海峡トンネルが、海底部37.9 km、全長50.49 kmというのに比べたら、長くはないのですが、
 
このボスポラス海峡や、それに続くマルマラ海、ダーダネルス海峡は、表層の海水が北から、底層の海水が逆方向から流れ、やはり楽な工事ではなかったようです。
 
私は、そんな技術的なことはよくわからないので、古代、というより神話に近い時代から、いろんな民族や国家が往来した海峡の交通に、日本人が関わった、ということの方に感慨深いのですが。
 
ちなみに、すでに架かっている道路橋(2番目のだったかな)の方にも、日本企業などが関わったとか。
 
イスタンブールのオリンピック誘致上の課題のひとつが、海峡の両岸にわたる市街地の交通渋滞だったそうで、
この海底鉄道トンネルにより、相当の渋滞解消効果が見込まれているようです。
 
東京五輪関係者には怒られるかもしれませんが、イスタンブール五輪でもよかったなあ、という気持ちが、個人的にはあります。

更新認定時などの担当者会議の時期・再論

ネット上でのやりとりは難しい場合がありまして、
たとえば、ブログを書いた人の意図と異なる方向のコメントを付けてしまうことがあります。

最近では、タヌキの置物さんのブログで、沖縄県のケアマネ団体が行ったアンケートについて触れられていました。
http://www.wel-plan.com/blog/?p=8701&cpage=1
(前にも書きましたが、「狸乃穴倉」の「たぬさん」と、「タヌキの置物さん」は、別人です。)

要介護更新認定が遅れた際のサービス担当者会議の取扱いについて、県内保険者(市町村)に行ったアンケートです。

1.一律に減算対象である
2.一律に減算対象ではない
3.個々のケースに応じて対応する

と分かれていました(回答なしも結構あります)。

沖縄だけでもこういう状況なのに、居宅介護支援事業の指定権を都道府県から市町村に移行するのは問題ではないか。
そういう趣旨の記事でした。

このタヌキの置物さんの主張はもっともだと思います。

もともと、「居宅介護支援事業所の指定を市町村とする」案については、私も反対です。
(たとえば、こちらの記事)
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/31486572.html

反対あるいは懸念の声が挙がることは当然でしょうし、その主張の根拠として、この沖縄のアンケート結果を用いることも、運動の方法として適当だろうとも思います。

・・・と思っていたのですが、そういうことをすっとばして、
「更新認定時などの担当者会議の時期のあり方」についての自分の考えを書いてしまったんですよね、私は(苦笑)
(こういう話とか)
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/31974530.html

まず「あなたのご意見に同意します」とでも述べてから、自分の言いたいことを続けるべきでした。

なぜ、そういうことを飛ばしてしまったかというと、いろいろなことが先に気になったのだ、と思います。

都道府県でも対応に差があるのではないか、とか、
市町村に移行しなかったら、更新認定時の指導に差があってもかまわないのか、とか、
おおもとの更新認定に日時がかかりすぎる状況を放置してよいのか、とか、
そもそも自治体間で差がなかったら、制度の理念と乖離した見解でもいいのか、とか。

まあ、タヌキの置物さんには責任がないこと、そして私が何か言ったとしてもすぐには解決できないようなことですね(苦笑)

せっかくなので、もう少し続けてみます。

この問題が難しいのは、制度設計者である国が、少なくとも当初は想定していなかった問題だろうと思われることです。

要介護(更新)認定申請後、本来なら30日以内に認定結果が出るはずですから、
たとえば9月末までが認定期間の人が9月後半に更新認定申請を行ったとしても、10月後半には結果が出ているはずです。
この場合、10月中にサービス担当者会議が開催されれば、少なくとも減算にはなりません。

さらに、認定期間満了の前月の前半(上の例では8月前半)に申請しておけば、30日の倍の日時がかかったとしても、いくらなんでも10月末までには余裕で担当者会議が開催できるでしょう。

ところが、主治医意見書の遅れその他の理由により、10月中には結果が出ないという状況がレアケースではなくなってしまいました。

私は、それでも国が見解を出すべきだと思います。

上の2番目のリンク記事のコメント欄に、ポイントさんが書かれています。

平成15年の最初の報酬改定前に「全く訪問しないケアマネがいる」「全くサービス担当者会議を開催しないケアマネがいる」等々、一部(?)の不届きものの行為がまるで全てだといわんばかりに導入されたものでした。
だからせめて更新認定時くらいは、サービス担当者会議を開催して、ケアプラン見直しの必要性についてチームで協議しようという趣旨で導入されたものです。

サービス計画の変更が必要な可能性が高いときには、早急に担当者会議を開催すべきなのはもちろんです。
が、更新認定時の、特に現在のように最長2年間の有効期間で認定されるような制度の下で、開催日時の多少のずれで、少なくとも一律減算というのは意味がないと思います。

だから、
ケアマネを中心にしたチームで「最善と思われる開催時期」を判断したのなら、更新時のいずれかの時点で開催されていれば、運営基準違反とすべきではない
と書きました。

ついでにいえば、他のソーシャルワークの現場では、福祉事務所でも児童相談所でも、ケース会議、カンファレンスの実施時期というのは、基本的にその機関で判断します。
施設入所措置や虐待などの緊急保護のような場合には、当然、会議を開催しますが(超緊急時には、担当者が所長室に入って方向性だけ了解を得るということもありますが)、民生委員・児童委員なども呼んで協議するような場合には、担当者やその上司が時期を判断します。

保健所が主催する連絡調整会議(正式名称は忘れた!)も、同様でしょう。

ケアマネもソーシャルワークの担い手として位置づけるなら、法令や減算で従わせるばかりでなく、会議の必要性を自分たちで判断できるようにする意識付け、研修などが必要と思うのですが・・・・・・

この意識は国にはあまりないのかもしれません。

義務教育は5歳から、英語は小3から?

義務教育5歳から検討、「4・4・4制」可能に

(読売新聞 10月26日(土)7時44分配信)

 政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)が、現行の学制のあり方を見直し、小中一貫教育を行う「義務教育学校」の創設や、就学年齢の5歳への引き下げなどについて、今月末にも検討を始めることがわかった。

 学制については、小中高校間の連携を強めた上で、自治体の判断で「4・4・4制」などの柔軟な区切り方を可能にする方向だ。

 自民党教育再生実行本部(遠藤利明本部長)も今年5月、学制改革を提言し、義務教育学校の創設などを求めた。実行会議で論議を進め、来年夏までに結論を出す見通し。
(略)
 一方、就学年齢の6歳から5歳への引き下げは、基礎学力を早期に身に着けることなどが目的。英国などの実施例をふまえ、実行会議で検討が行われる。

 ただ、経営への影響を懸念する幼稚園団体から強い反発が予想されるほか、無償化に伴う財源確保などの課題がある。このため、幼稚園、保育所での幼児教育を、スムーズに小学校生活に移行できる内容に改革する案も検討される見通しだ。
(略)

最終更新:10月26日(土)9時29分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131025-00001477-yom-soci


英語授業は小3から、5年生から正式教科に

 文部科学省は、小学校の英語教育の開始時期を現行の5年生から3年生に引き下げ、5年生からは正式な教科にする方針を決めた。

 現行では週1回の授業を、3、4年で週1~2回、5、6年では週3回に増やす。世界で活躍する人材を育成するため、早い時期から、基礎的な英語力を身に着けさせるのが目的。2020年度をめどに全面実施をめざす。

 小学校の英語教育は11年度から、5、6年で週1回の外国語活動が必修化された。歌やゲームなどを通じて英語に親しむ内容で、読み書きはほとんど指導していない。英語が専門外の担任教諭が主に指導しており、質の確保が課題になっていた。

 政府の教育再生実行会議は今年5月、小学校で英語教育を始める学年の引き下げや教科化などを安倍首相に提言。これを受け、同省内の検討チームが実施方法などをまとめた。
(2013年10月23日08時05分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131022-OYT1T01489.htm?from=ylist


読売からの引用ばかりになってしまいました。

で、個人的にいえば、どっちにも懸念があります。

「4・4・4制」はともかくとして、
5歳児教育については、「学力向上」方面からだけでなく、児童の精神的発達面などからも検討が必要と思います。

もうひとつ、保育が必要な家庭も多数ありますが、放課後児童クラブ、学童保育などで、5歳児についても質量ともに対応できるのでしょうか?


英語教育の早期化案についていえば・・・日本語教育の方にもっと力を入れるべきでしょう。

特に国家公務員(や、残念ながら、地方公務員も)の日本語力の低下(としか思えない、法令・告示と通知との関係など)を見ると、そう確信します。
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/13709817.html

ツシマヤマネコを15年飼育

絶滅危惧の猫 15年間飼育

(NHK 10月24日 19時57分)

国の天然記念物で絶滅が危ぶまれているツシマヤマネコを、長崎県対馬市の男性がおよそ15年にわたって自宅で飼育していたことが分かり、環境省は、男性に厳重注意する一方で、これほど長期間飼育された例は非常に珍しいとして、男性からこれまでの飼育状況について話を聞くことにしています。


ニュースによると、この男性は、15年前に対馬市の路上で、けがをしたツシマヤマネコ(子猫)を見つけ、動物病院で治療した後、自宅で飼育していたそうです。

で、10月18日に具合が悪くなって、対馬野生生物保護センターに、治療してほしいという連絡をしました。
センターの職員が搬送して治療しましたが、約9時間後に死亡した、とのこと。
15~16歳のメスで、老衰死の可能性が高いそうです。

まあ、違法は違法なのでしょうが・・・悪質性が低いということで、厳重注意にとどめた、と。
(それにしても、15年前に治療した動物病院の獣医さんは気がつかなかったのでしょうか?)

ともかく、「15年も飼育」というのは凄いことだと思います。
(ヤマネコでなく、普通のイエネコであったとしても長生きした方ではないでしょうか?)

15年以上という長期間、ツシマヤマネコが飼育された例はこれまでに2例しかないそうで、
環境省は、むしろ飼育の参考になるとして、今後、男性から話を聞くとか。

今後起こるかもしれない災害のために

こちらで触れた記事をきっかけに、「震災復興事業における財産管理制度の利用に関するQ&A」を紹介してきました。
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/32537977.html

大震災のような災害ではなくても、災害関係の事業で必要というようなことなら、
家庭裁判所でも法務局でも、比較的、親切に相談には乗ってくれると思います。

ただ、このような制度の運用が簡素化されたとしても、それだけでは解決できないような事案が残るのは確かです。

震災復興:用地取得手続き簡素化に「期待」と「不安」

毎日新聞 2013年10月19日 21時30分(最終更新 10月20日 10時13分)

 安倍晋三首相が19日、東日本大震災の復興事業で、集団移転などの用地取得手続きを簡素化すると表明したことについて、被災地では期待する一方、「抜本的な対策になるのか」と不安の声も上がる。

 住宅の高台移転を進める宮城県南三陸町の佐藤徳憲・総務課参事は「相続などの手続きが障害で用地取得が進まない。簡素化すれば、事業もスピードアップする」と期待する。同町では、取得したい用地の名義が2、3代前のままで、相続に関わる多数の子孫から判子をとるのに手間取るケースが多い。佐藤参事は「国の権限で土地収用を進めて一時所有し、それから町が取得できるようにしてもらえれば」とも話した。

 岩手県大槌町では住宅約3700棟が全半壊し、5地区で防災集団移転促進事業(防集)を導入し、高台移転を計画する。しかし予定面積35ヘクタールのうち、7月末までに取得したのは1.4%の0.48ヘクタールだ。

 用地取得を遅らせている主因は、やはり1カ所の土地に多数の相続人がいること。財産管理制度の手続きを簡素化しても、相続人が分かるケースでは全員の同意が必要なことに変わりないのではないかとの声ももれる。

 国はこれまでも、同意が無くても用地を取得できる土地収用法の手続き簡素化を実施しているが、高台移転のメイン事業となる防集は同法の対象外。今月上旬、同町の担当者が根本匠復興相と面談した際にも、防集の事業用地で所有者が多いケースの対応策は示されなかったという。

 町の担当者は「相続人に通知して一定期間が過ぎれば、返事がなくても土地の権利問題を棚上げにして造成工事できるようにするなど、抜本的な対策が必要」と話す。【井田純、宮崎隆】
http://mainichi.jp/select/news/20131020k0000m040075000c.html


土地の強制収用というのは、個人の財産権に対して直接的な強制権が及ぶので、慎重に取り扱われてきたのでしょう。
(たとえば、公租公課<税金の他、介護保険料や保育料なども含む>の滞納処分のような迅速な公権力の行使が可能な制度とは異なります。)

そういう状況の中で、上の記事中の「防災集団移転促進事業」などは土地収用法の対象には入っていなかった、ということなのでしょうが、人間の生命の安全に関わることでもあり(それも、現在その地で生きている人々だけでなく、他の地域を含めて、これから何世代も先の子孫の生命にも)、法改正を含めて検討すべきことではないかと思います。

震災復興・財産管理制度Q&A7

問35
 相続財産管理人に選任されるために,何か資格は必要なのですか。
 資格は必要ありませんが,被相続人との関係や利害関係の有無などを考慮して,相続人の捜索,相続財産の管理及び清算といった職務を遂行するのに最も適任と認められる人を選びます。相続財産管理人の職務は単純ではなく,長期にわたることも少なくないため,福島家裁では基本的に弁護士,司法書士等の専門職を選任しています。

問36
 相続財産管理人が選任された後の手続は,どのようになりますか。
 一般的な手続の流れは次のとおりです。途中で相続財産が無くなった場合は,相続財産管理人選任の審判が取り消され,手続は終了します。
[1] 家庭裁判所は,相続財産管理人選任の審判をしたときは,相続財産管理人が選任されたことを知らせるための公告をします。
[2] [1]の公告から2か月が経過してから,財産管理人は,相続財産の債権者・受遺者を確認するための公告をします。
[3] [2]の公告から2か月が経過してから,家庭裁判所は,財産管理人の申立てにより,相続人を捜すため,6か月以上の期間を定めて公告をします。期間満了までに相続人が現れなければ,相続人がいないことが確定します。
[4] [3]の公告の期間満了後,3か月以内に特別縁故者に対する相続財産分与の申立て(問37)がされることがあります。
[5] 必要があれば,随時,相続財産管理人は,家庭裁判所の許可を得て,被相続人の不動産や株を売却し,金銭に換えることもできます。
[6] 相続財産管理人は,法律に従って債権者や受遺者への支払をしたり,特別縁故者に対する相続財産分与の審判に従って特別縁故者(問37参照)に引き渡すなど,相続財産の清算を行います。
[7] [6]の支払等をして,相続財産が残った場合は,相続財産を国に引き継いで手続が終了します。

問37
 被相続人と長い間同居していたり,療養看護に努めていたなど被相続人と特別の縁故があった人に対して,相続財産が分与されることがあると聞いたのですがどのような手続が必要になるのですか。
 「特別縁故者に対する相続財産分与」という審判手続が必要になります。申立てができる期間は,問36の[4]のとおり,[3]の公告の期間満了後,3か月以内と決められていますので,官報を確認したり,相続財産管理人等に問い合わせたりしてください。

問38
 相続財産管理人の報酬は,どのように支払われるのですか。
 相続財産から支払われます。ただし,相続財産が少なくて報酬が支払えないと見込まれる場合,具体的には,相続財産が買収予定の土地の一部のみであり,買収予定金額も相続財産管理人に対する報酬見込額に満たないと予想されるときなどには,申立人から報酬相当額を家庭裁判所に納めてもらい,それを財産管理人の報酬にすることがあります。

問39
 土地所有者が東日本大震災で亡くなっており,戸籍を調べたところ,相続人がいるのですが,全員相続放棄をしているそうです。この場合,どうなりますか。
 相続人全員が相続放棄をした結果,相続人がいなくなった場合にも,相続財産管理人を選任することができます。必要であれば相続財産管理人の選任を申し立ててください。

問40
 相続財産管理人の選任申立てに当たり,相続放棄をした人が,相続放棄を撤回したいと言っています。この場合,申立てができますか。
 相続放棄を撤回することは認められませんが,詐欺や強迫によって相続放棄をした場合など,理由によっては相続放棄の取消しが認められる場合があります。その場合でも,相続放棄の取消しは家庭裁判所への申述が必要ですので,これが受理されていない限り,相続人がいないものとして相続財産管理人の選任の申立てができます。

※ 権限外行為許可に関する質問(問13,問14,問15)は相続財産管理も不在者財産管理に同じ
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/32541847.html

Q&Aは、ここまでです。

震災復興・財産管理制度Q&A6

「震災復興事業における財産管理制度の利用に関するQ&A」(平成25年9月11日 福島家庭裁判所)
http://www.courts.go.jp/fukushima/about/osirase/l4/Vcms4_00000135.html

引用者注:
 上のQ&Aの続きです。
 ブログ記事作成上の都合で、レイアウト等は変更している場合があります。
 [ ]内は、原文では丸付き数字です。
 この手の色の囲みがある場合は、引用者のコメントです。

【相続財産管理制度について】

問28
 相続財産管理制度はどのような制度ですか。
 相続人の存在,不存在が明らかでないとき(相続人全員が相続放棄をして,結果として相続する者がいなくなった場合も含まれます。)に,家庭裁判所が,申立てにより,相続財産管理人を選任する制度です。
 相続財産管理人は,被相続人(亡くなった方)の債権者等に対して被相続人の債務を支払うなどして相続財産の清算を行います。

問29
 相続財産管理人の選任は誰が申し立てることができますか。
 利害関係人及び検察官です。公共事業のための用地取得を目的として相続財産管理人の選任を申し立てる場合,当該事業主体である自治体は利害関係人に該当すると解されています。

問30
 相続財産管理人の選任はどこに申し立てればよいのですか。
 相続が開始した地(被相続人の住所地)を管轄する家庭裁判所です。用地取得の対象となる土地の所在地を管轄する家庭裁判所でも申立てを受け付けることができる場合がありますので,当該家庭裁判所に御相談ください。

問31
 申立ての際にはどのような書類や資料が必要ですか。
 申立書のほか,一般的には以下の書類・資料が必要になります。
[1] 相続人身分関係図
[2] 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
[3] 被相続人の父母の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
[4] 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
[5] 被相続人の住民票除票の写し又は戸籍附票の写し
[6] 財産を証する資料(不動産登記事項証明書(未登記の場合は固定資産評価証明書),預貯金及び有価証券の残高が分かる書類(通帳写し,残高証明書等)等)
[7] 利害関係を証する資料(戸籍謄本(全部事項証明書),金銭消費貸借契約書写し等)
[8] 財産管理人候補者の住民票の写し又は戸籍附票の写し(財産管理人候補者がいない場合は,家庭裁判所に御相談ください。)

〈場合により必要な書類〉
[9] 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
[10] 被相続人の兄弟姉妹で死亡している方がいる場合,その兄弟姉妹の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
[11] 代襲者としてのおい又はめいで死亡している方がいる場合,そのおい又はめいの死亡の記載がある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

 なお,自治体が復興事業のための用地取得を目的として申し立てる場合には,[6]については不動産に関するもののみを求め,[7]については不要とすることを検討しています。

問34
 申立てに関して,家庭裁判所はどのような審理をするのですか。
 提出された戸籍謄本を点検して相続人が存在しないことを改めて確認した上,不足する戸籍謄本があれば追完を求めます。このような管理開始要件の審査をした上で,適切な相続財産管理人を選任することになります。必要な書類が揃っていれば,2週間程度で管理人が選任されると見込まれます。その際,弁護士,司法書士等の専門職が候補者として推薦されていれば,管理人の選任が円滑に進みます。

(つづく)

人件費を惜しんで保護費横領を招いた?

生活保護費横領容疑の河内長野市職員を逮捕

(2013年10月22日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20131022-OYO1T00222.htm?from=top

以下、なるべく必要最小限を抜粋。なお、文字強調は引用者が行いました。

 大阪府河内長野市で生活保護費約2億6600万円が使途不明になり、内部犯行との見方が強まっていた疑惑で、府警捜査2課と河内長野署は21日夜、不明金のうち4百数十万円を着服したとして、市まちづくり推進室主査・宮本昌浩容疑者(43)(大阪府富田林市高辺台)を業務上横領容疑で逮捕した。宮本容疑者は調べに容疑を認め、「株など金融商品の購入のほか、預貯金に充てたり自宅で保管したりしていた」などと供述。自宅からは数千万円がかばんやビニール袋に入れられた状態で見つかり、府警が押収した。

 発表では、宮本容疑者は生活保護業務を所管する生活福祉課で保護費の出入金などを担当していた2010年5月中旬~同11月上旬に十数回、保護費を管理する同課課長名義の口座から、計4百数十万円を庁舎内の現金自動預け払い機(ATM)で引き出して着服した疑い。着服総額は「考えて整理しないと分からない」と言っているという。

 市によると、宮本容疑者は1993年4月採用。仕事熱心との評判で、後輩を厳しく指導することも多く、ある同僚職員は「金に絡むトラブルは聞いたことがない」と驚く。職場では夜遅くまで残業したり休日出勤したりする姿が度々目撃されており、この職員は「頑張っているなと労をねぎらったこともある。不正が本当なら許せない」と憤った。

 宮本容疑者は2001年から生活福祉課で勤務し、保護費の支給額を決定する「電算システム」担当を務めていたが、保護費を現金で引き出せる「経理」担当の女性職員が出産休暇に入った09年1月以降、この業務も兼務することになった。

 市によると、保護費はシステム担当らが入力したデータを基に支給額などが決定され、多くは受給者の口座に振り込み入金されるが、市の窓口で支払う場合は、経理担当が現金を引き出す仕組み。二つの担当は本来、分離されていたが、宮本容疑者は異例の兼務となったことで、保護費の支給事務を独占管理することができるようになった。

 宮本容疑者は、システム担当の立場を悪用し、受給額を水増しするなど架空の支出を捏造し、さらに支給方法を窓口としたうえで、経理担当の立場も悪用。支給を装って庁舎内のATMから引き出すなどして着服していたとみられる。

 窓口払いの場合は、職員が受給者に保護費を渡した証明として領収書を上司に提出する必要があるが、宮本容疑者は、同僚らに「書き損じに備えて受給者からもらっておいて」と依頼して金額を抜いた状態のものを集めておき、後で金額を入れて提出していたという。

 市は「大きな権限を与えたことが、不正を許す結果につながってしまった」とし、管理体制の甘さなどを詳しく調べたうえで、関係者を処分する方針。

この逮捕された職員を弁護するつもりは全くありません。

ただ、経理担当職員が産休に入った後、日々雇用職員や臨時職員での代替措置は行わなかったのでしょうか?

経理担当の実務は、そういう非正規職員が担当し、それを直属上司などの正規職員がチェックなどのフォローを行う形なら、今回のような不正は行いにくかったと思うのですが。

市のサイトなどでの発表では、そのあたりについては触れていないので、詳細はわかりませんが、この職員の時間外勤務が多かったことを考えると、産休代替職員は配置されていなかった可能性は低くないのではないでしょうか。

もし、産休代替の人件費をけちって、このような異例の兼務体制をとったのだとしたら、
小金を惜しんで大損を招いてしまったということになります。

そういえば、大阪府の市部は、生活保護担当ケースワーカーの充足率が低かったと思いますが・・・
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/29935339.html

この市がどうだったかはわかりません。

ヘリの音で防災無線が聞こえない

伊豆大島「防災無線聞こえぬ」 報道ヘリの自粛要請

(産経新聞 10月22日(火)8時42分配信)

 東京都大島町は21日、報道機関に対し、報道ヘリコプターの飛行自粛を書面で要請した。

 同町によると、台風26号の被害が発生して以降、複数の報道ヘリが上空を飛行する際に出る音で、住民向けの防災無線や、屋外で捜索活動に携わる関係者の間で使われている無線連絡が聞こえにくい状況になっているという。

 同町には、住民から複数の苦情が寄せられているといい、同町の防災担当者は「報道ヘリの飛行を可能な限り控えてほしい」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131022-00000514-san-soci


未確認情報ですが、「救助を求める被災者の声がヘリコプターの音にかき消される」という話もあったと思います。

この手の災害報道のあり方については、ずっと以前、少なくとも阪神・淡路大震災の頃から問題になっていました。
マスメディア関係者がよく口にする「国民の知る権利」も、災害現場の人の命には代えられませんから。


ところで、このニュースについては、産経以外のメディアでは報道されていないように思いますが・・・・・・

まさか、自分たちに不都合なニュースには触れないということではないですよね?

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