柚子入りスープ

柚子、正確には「ハナユ」でしょうか。

我が家としては、やや多めに入手したので、皮だけでなく果汁もスープに入れてみました。

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定番のニンジン、タマネギのほか、鮭の昆布巻みたいなものの残り、コンソメスープの素1個、
これらを(ある程度)煮込んでから、柚子の皮を切り、その果汁とともに投入しました。

和洋混合のよくわからない組み合わせですが、柚子果汁の酸味がさわやかで、
思ったより成功しました。

そうか。ちょっと上品な果実酢、みたいな感じで使えるかも。
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入所待機は解消するか

<「介護離職ゼロ」目指し、特養増設・待機解消へ>(読売新聞9月24日(木)3時6分配信)
については、こちらの記事で触れました。
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/34245746.html

で、20XX年の光景。
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エクセルの機能(と私の拙い技術)では、この程度の下手な絵にしかなりません(汗)

あとは、介護職員を確保するための報酬の必要性に政府が気づいて、
この絵が「下手な予想」に過ぎなかったな、ということになれば、とは思いますが・・・

政財界には、人件費(あるいは人件費率)を敵視しているのではないか、と思える時代錯誤な人々が
いまだにいるみたいで・・・・・・

2015MVP

けっこう長い間、「MVPは柳田かサファテか」というようなメッセージをブログに掲げていたので、
昨日発表された日本プロ野球のMVPについて拙い記事を書いてみます。
なお、受賞しなかった選手を含めて敬意は抱いていますが、記事中は敬称略ということで。

また、受賞選手や、個人成績等は、こちらのサイトで確認することができます。

MVPは、一定の条件を満たす記者の投票(1位~3位連記)で選出されます。
まず、パリーグから。

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柳田は、打率3割、30本塁打、30盗塁(以上)の「トリプルスリー」達成、首位打者、最高出塁率など表彰対象分野に加え、得点圏打率やOPS(出塁率+長打率)なども抜きんでた成績だったので、当然の受賞でしょう。
打点や盗塁などは、レギュラーシーズン最終盤の死球欠場がなければさらに増えていた可能性があります。
2位票はともかく、3位が4票もあったのは、逆に疑問です。

秋山の最多安打記録更新も、凄いことではあるので、彼に1位票が入ったことはわからないでもありません。
このあたりは、個人記録に着目するか、優勝チーム(あるいは、その年のルールにより年間最高勝率、日本シリーズ進出など)への貢献をより重視するか、という点で、記者によって差が出るかもしれません。

大谷も投手として活躍しましたが、1位が7票もあったのは、多少疑問(打者としての成績は昨年よりは落ちました)。

サファテは、もう少し上位に行くかと思っていました。
リーグ記録の41セーブも凄いのですが、三振奪取率が1.58/回と、大谷(1.22/回)をも上回ります。
ちなみに、セリーグでは、沢村賞の前田が0.85/回、同じ41セーブのバーネットが0.89/回。
「打たせて取る」投手でも、先発なら勝利への貢献度は大差ないかもしれませんが、救援投手は外野フライすら打たせたくない場合もあり、これはもっと評価されてもよいと思います。

なお、内川の1位票は1票でも疑問です。プレーオフでの活躍はたいしたものでしたが。


次にセリーグ。

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やはりトリプルスリー(+本塁打王、盗塁王など)の山田で文句なしでしょう。
1位票も柳田より集中しました。
こちらも3位票が(1票とはいえ)あるのは疑問です。

他の1位票は、優勝したヤクルトの同僚たちと、沢村賞・前田については、まああり得るかな、と思います。
疑問、というより、はっきりあり得ないやろう、と思うのは、坂本に1位票が入っていることぐらい。
これを入れた記者だけは、アホやろ、と思います。
(念のため。坂本に対する批判ではありません。)

まあ、印象や感じ方は人それぞれでしょうが。

それはそれとして、機会があれば、トリプルスリーや、ノルディック複合のような、異なる分野への能力発揮、みたいなことについても考えてみたいな、とは思っています。

でも、経済効果だけではなく

念のため。

前記事の内容にもかかわらず、経済効果だけで政策が決まっていくわけではありません、もちろん。


第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

ごぞんじ、日本国憲法です。


極端な例として、
「国に(自治体に)金がないので要介護2以下は何も給付が受けられません」
という制度にしてしまって、かつ、老人福祉法や市町村からの給付もなくなり、
糞尿まみれの「軽度高齢者」(あるいは彼または彼女の代理人)が訴訟を起こして最高裁までいったとしたら、違憲判決が出る可能性は非常に高いでしょう。

「金がない」と主張しようが、国の負けです。

今、財務省などが進めようとしているであろう「軽度者向け給付の弱体化」(「給付の重点化」の裏返し)も、何らかの理屈を付けて、違憲には見えないような形には取り繕うことでしょう。

それに対し、「いや、その制度では<健康で文化的な最低限度の生活>は維持できないよ」と主張することも、もちろんアリです。
というか、そちらの方が本筋かもしれません。


でも、別の方向、
「その制度では、重度者が増えて、かえって金がかかるから、軽度のうちから適切な給付を行う制度にすべき」
という経済面からの主張も、また、あり得ると思います。

上の本筋の方の主張は、たぶん多いと思うので、私は、どちらかといえば、下の方の主張を扱うことが多いような気がします。
(たとえば、こちらの記事、及びそこから先の数記事ぐらいまで)
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/31862555.html

介護と経済効果

道路などの(従来型の)公共工事に投資するのと、介護サービスに投資するのと、経済効果が高いのはどちらでしょうか?

これには、いろいろな切り口があると思います。


たとえば、たぬさんのこちらの記事では、前者が高い(けれども、以前と比べてその差は縮小している)ということが書かれています。
http://blogs.yahoo.co.jp/tanu_wb/65282482.html


一方、「介護サービスは建設業より経済効果も大きい」という山井和則氏の(たぶん古い)ウェブサイト。
http://www.wao.or.jp/yamanoi/hoken/point/point12.html

 介護サービスを充実させることは、国民に安心感を与え、未来に向けた消費に結びつきます。だから、介護保険は根本的な景気対策であるとも言えます。

 まず第一に、景気回復のためには、内需を拡大することが必要ですが、従来型の大きな建物を建てる公共事業よりも、介護サービスを増やす公共事業の方が、経済波及効果や雇用効果が大きいという研究結果が出ています。

 この点については、岡本祐三先生(神戸看護大学教授)が、著書「福祉は投資である」(日本評論社)で、かねてから主張されています。
 池田省三先生(龍谷大学助教授)も指摘されていることです。

 福祉と言えば、経済の足を引っ張ると思われがちでした。
 しかし、介護サービスの充実が地域経済を活性化させる効果は、従来型の公共事業よりも高いのです。

ちょっと懐かしいようなお名前も出ていますね。


あるいは、これも古いですが、富山県政策情報誌「でるくい」9号 1999/7
http://www.pref.toyama.jp/branches/1133/derukui/199907/08.htm

 富山県における福祉サービスの経済的波及効果について、産業連関分析を行ったところ、第1表のとおり、建設投資と同様の経済的な波及効果があることがわかりました。
(この経済的波及効果の試算は、北陸経済研究所によるもの)

 この表からもわかるように、生産誘発額の倍率は、3業種の中では社会保障(福祉)が1.81倍で最も高くなっており、また、雇用者誘発数についても、社会保障が最も高く、建設の約2倍の効果があるという結果になっています。

 この産業連関による波及効果の分析結果から、社会保障(福祉)分野の経済的波及効果は、かなり高いということが窺えるわけですが、建設部門などの他の部門と比較する場合には、次のような点について留意する必要があると考えられます。

ア 例えば、建設投資の波及効果は、工事の実施に伴って発生する資材、建設機械の需要 や雇用の増大などの副次的な経済効果をみるものである。一方、建設投資の結果として道路などの社会資本が残るのであり、それによる運輸・交通や地域経済などの効率化、活性化などの大きな効果がある。このように事業本来の目的自体に経済的効果を含んでいるが、その部分は産業連関表による分析では表面には出てこない。

イ 社会保障(福祉)部門は、建設など他の部門と比較すると県内生産額に占めるウエイトが小さく、現状としては、経済的な受け皿として限界がある。
〔○社会保障部門:404億円、○建設部門:9,618億円……平成2年産業連関表における県内生産額の規模〕
 このようなことから、福祉部門と建設など他部門の経済的効果を単純に比較することは難しいといえるでしょう。

 ところで、近年、福祉の経済効果が注目されていることもあり、複数の県で本県と同様の経済的波及効果の試算が行われています(第2表参照)。

 この結果をみると、各県の経済構造などの違いによって、多少の差はありますが、各県とも共通して、生産誘発効果については建設と概ね同じレベルで、雇用誘発効果については建設をかなり上回るという傾向となっています。

ア・イの、特に太字の箇所に留意して読むと、けっこう公平な見方かな、と思います。
もちろん、「雇用誘発効果については建設をかなり上回るという傾向」というのも、地方自治体にとってはかなり重要です。


ちなみに、こういうページもあります。

恣意的な面があることに注意が必要
(nikkei4946.com <「経済効果○兆円」ってどうやって計算するの?>の6ページ目)
https://www.nikkei4946.com/zenzukai/detail.aspx?zenzukai=89

 極端な場合、同じことについての経済効果を試算しても、正反対の結果が出ることもあります。現在、国内ではTPP(環太平洋経済連携協定)と呼ばれる貿易自由化交渉を進めるかどうかが議論されていますが、参加に慎重姿勢を示している農林水産省はTPPによる貿易自由化で実質国内総生産が7.9兆円に減ると試算。一方、TPPに積極的な経済産業省はTPPに参加せず自由化しないと10.5兆円減るとしています。これは、農水省は農業と関連産業、経産省は自動車と機械など主力産業への影響だけを計算しているためです。このように計算する人の思惑が如実に出ることがある点には注意が必要でしょう。

太字にしたのは引用者の恣意です(笑)


ところで、私は最近、こんなことを書きました。
補助金、交付金、介護給付費、その他の社会保障費、なんでもいいですが、公的費用を投入した場合、経済にとって効果が高いのは何でしょうか?

老齢年金、特に経済的に余裕のある高齢者への年金給付は、使われずに経済循環には無関係となる可能性があります。
(低額の年金でぎりぎりの生活をしている人の場合には、ほぼ全額が生活費として使われるので「死蔵」にはなりません。)

医療費や介護費は、その業界で働いているスタッフに回る部分が必ずあります。
特に介護業界は比較的低収入のスタッフが多いとすれば、かれらの給料は生活費として支出される割合が高く、国内の経済循環に回る可能性が非常に高くなると考えられます。
(医療業界は、介護業界に比べれば高収入・・・という話はともかく、医薬品等で国外に流失する部分があるので、介護業界に比べれば効率性は落ちるかもしれません。ただし、就労者の健康を維持するという効果も考えれば、経済にはプラス、という見方もできます。)

特養など施設整備費用は?
建設業界などに支出されるので、経済循環には効果があります。
ただし、建設資材は国外からの調達もあるので、介護スタッフへの給料支払いよりは効率が落ちるとも考えられます。
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/34245746.html

建設事業などとの比較でなく、年金、医療、介護についての比較です。

ひょっとしたら、伝統的な経済の考え方からは、はみ出しているかもしれませんが、
(それほど高収入とはいえない)雇用者への人件費支出は、「死蔵」されずに他の支出に回る割合が高いこともあり、経済効果が高い
という論点で書いています。

これにも恣意的な面があるといわれれば仕方ないところですが(笑)

ブリ大根トマト味とピーマン佃煮和え

残り物整理、あるいは、安売り大量購入物処理、の備忘録です。


かなり前に、ブリ大根もどきを作ったことがありましたが、
今回は、鍋に水と大根、トマト、ブリの付け焼きの残り、ショウガ、の順に投入して、
火を止める直前にユズの皮を散らしました。
(火が通りやすく、味が染みやすいように、材料は薄く小さく切っています。)

あれ、醤油(少量)とかは、どこで入れたんだろう?
ショウガの後だったかな?

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写真の出来はよくありませんが(こればっかり)、
トマトのグルタミン酸とブリのイノシン酸(たぶん)との相乗効果で、味はまあまあ。


次に、ネット上の料理関係ネタ有名サイトより。
ピーマンを切って、電子レンジで加熱して、熱い間に塩昆布等を混ぜるだけ。

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今回は、昆布も使った佃煮があったので、それを和えてみました。

これは、簡単なのに、はっきり美味しい。
ゴマ油(またはオリーブ油)などを足すレシピになっていましたが、それを忘れても(汗)、いけます。
ピーマンを切る大きさ、加熱時間、和える材料など、状況やお好みによっていろいろありそう。

世界と日本の将棋の雑談6

日本の将棋の最大の特徴は、取った敵駒を持ち駒として再利用できるということにあります。
他の国のチャトランガ系ゲーム、日本の中将棋や大将棋などでは、取った駒は盤面から除去されるだけですから。

この持ち駒ルールの採用のためには、まず絶対的といってよい条件があります。

・敵味方の駒の形状が同じであること

チェスなど多くのゲームでは敵味方が駒の色で区別されていますし、シャンチーでは駒に記載されている文字も(兵・卒、象・相など)異なります。
日本将棋では、駒の形状は同じで、五角形のとがった方を相手に向けることで区別します。文字の向きも区別に役立つでしょう。

また、絶対的に必要というほどではありませんが、持ち駒ルールのためには望ましいと考えられる条件もあります。

・持ち駒が強すぎないこと

これはちょっとわかりにくいかもしれないので、やや極端な例を。
中将棋に、獅子という駒があります。玉の二手分を一手で動けるという、ある意味、ずるい駒です(笑)
下図は、仮に中将棋で獅子が持ち駒にあった場合に、相手玉の頭に獅子を打ったところです。

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相手玉の移動可能範囲は黄色いマス目ですが、こちらの獅子の移動可能範囲は二重枠線内なので、
これだけで詰みになってしまいます。
ちょっと興ざめで、ゲームとしてのおもしろさが減ったような気がします。

獅子ではなく、たとえばチェスのクイーンを打ったとしたら、相手玉は斜め後ろに逃げられるので詰みにはなりませんが、それでも危ない形であるのは間違いありません。

日本の将棋は、飛び道具のような強い駒は飛車と角それぞれ1枚ずつだけにして、桂馬や香車は(他国の類似駒から見れば)性能を落としました。
その代わり、(歩だけでなく)玉と金以外の全ての駒は敵陣に入ってパワーアップすることができるようになりました。
これによって、強すぎる持ち駒が一気に勝負を決めることもなくなり(あるいは少なくなり)、弱い小駒でも(接近戦に強い)金に昇格できる可能性を残し、ゲームとしての深みを増した、と私は思います。

チェスにしても、シャンチーやチャンギにしても、取り捨て型のゲームでは終盤に駒が少なくなりすぎて「戦力不足引き分け」みたいな現象が懸念されますが、日本の将棋ではその心配はありません。持ち駒で戦力を補充できるからです。

その代わり、相入玉による引き分け(持将棋)は起こります。前方に利く駒は多いのに後方に利く駒は少ないこと、敵陣に打った歩などの小駒が成り込んで金になって玉の強力な守備駒になること、などから、やむを得ないことではあります。

なお、ここでは、日本の将棋が、たとえばチェスやシャンチー、チャンギなどに比べて格段に優れているとか、ゲームを創った民族、文化の優劣関係などを主張する意図は全くありません。

チャトランガを「発明」した古代インドの独創性、それを西へ広めたイスラム世界、クイーンのような強力な駒の開発などゲーム全般を改良して世界中に広めたヨーロッパ、将(帥)などの駒に移動範囲の制約を加えることで勝負を複雑にした中国の思考、それぞれ評価されるべきだろうと思います。

特に、歴史上の、少なくとも一定の時期までは、イスラム世界というのは、中国文化圏と並び、欧州のキリスト教世界を圧して文化的に(軍事的に、というよりも)輝いていました。
テロや圧政ではなく、こういう文化的な競争で、相互の個性の理解をしながら世界中の人々が歩むことができれば、と願うばかりです。


シリーズ冒頭に紹介した「世界のゲーム事典」(松田道弘編・東京堂出版)とウィキペディア以外の参考サイト等
(だいたい五十音順)

アブストラクトゲーム博物館
http://www.nakajim.net/

所司七段ブログ
http://c--s.jp/blog/

世界遊戯博物館
http://sekaiyugi.com/

世界遊戯博物館ブログ
http://blog.goo.ne.jp/purakruan

(社)大韓将棋(チャンギ)協会 東京支部
http://www.h2.dion.ne.jp/~janggi/index.html

日本シャンチー協会
http://jxiangqi.jimdo.com/

公益社団法人 日本将棋連盟
http://www.shogi.or.jp/

日本チェス協会
http://www.jca-chess.com/

ボードウォーク・コミュニティー
http://www.asahi-net.or.jp/~rp9h-tkhs/bwc.htm

世界と日本の将棋の雑談5

いよいよ、日本の将棋です。

はさみ将棋や回り将棋などに対して「本将棋」などと呼ばれることもあります。
別に、中将棋や大将棋というものもあったことがわかっています(というより、中将棋は今も愛好者がいます)。
なお、中将棋や大将棋などは、チェスなどと同様に駒は取り捨てで、持ち駒という概念はありません。

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上図は、初期配置と、成り駒以外の駒の動きです。

玉(玉将、王将とも)は、チェスのキングなどと同じ縦横斜めに1マスずつ。
この手の主将駒は、シャンチーやチャンギを除いてだいたい同じです。

飛車はルークなどと同じ動きですが、ひとつしかありません。その代わりか香車が左右両端にありますが、前方直線に進むだけです。

角はビショップと同じですが、これもひとつしかありません。

桂馬は、ナイトなどと比べて弱く(前方2箇所にしか跳べない)、「八方桂」でないのは日本将棋だけです。

銀はマークルックの根(コン)と同じ。
金は、たぶん日本将棋オリジナル。この守備にも詰みにも役立つ金銀は、接近戦に強くて重宝します。

歩は、マークルックと同じ三段目にずらっと並びますが、駒を取るときも前1マスだけの動きです。
ですが、敵陣(向こうから三段目まで)に入ると、金と同じ動きになります。
この成り方は、銀・桂・香も同じです。
なお、飛車角は、成るとそれぞれの弱点(飛車は斜め、角は縦横)を補う形で1マス進めるようになります。

これら、敵陣で成れる駒が多い(玉と金以外は全て成れる)ことも日本将棋の特徴です。
他のチャトランガ系ゲームでは、歩やポーンに相当する駒しか成ることができないのが相場ですし、チャンギに至っては成り駒自体がありません。

ここまで、日本将棋についてちょっとまとめてみると、
・チェスやシャンチーなどと比べて、弱い駒が多く、また、強い駒の個数が少ない(飛車が1個しかない等)。
・その代わり、敵陣で成ってパワーアップする駒が多い。
といえるでしょう。

日本将棋については、もう少し続きます。

世界と日本の将棋の雑談4

前記事まで、インドのチャトランガと、それが東西に伝わっていったものと思われるゲームを見ていきましたが、
日本の将棋とは異なる点が多いような印象を受けました。

日本の将棋は、どこから伝わったのでしょうか。
やはり、中国や朝鮮半島からなのでしょうか。

現在、有力になっている考え方に、東南アジア方面から伝わったのではないか、というものがあります。
タイで行われているマークルック、これはカンボジアにも同じようなゲームがあるようで、さらにミャンマーにも(異なる点もありますが)似たものがあります。

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チャトランガなどと似ていますが、象の代わりに根(コン)が入り、日本将棋の銀と同じ動きをします。

将(士)に相当するであろう種(メット)は、やはり斜めに1マスずつです。

兵に相当する貝(ビア)は、日本将棋の歩と同様、自陣の三段目に並びます。
なお、通常の動きは前に1マスですが、敵駒を取るときにはチェスのように斜め前に進みます。
敵陣の三段目以内に入るとビアガーイに成ることができます。これは種と同じ動きです。
注目すべきなのは、このビアは円盤のような形で(他の駒は立体的)、ビアガーイに成ると裏返して使うようになることです。日本将棋の成り駒と似ていますね(ただし、成るのはビアだけで、他の駒は敵陣に入っても成りません)。

ということで、日本将棋から見て、このマークルックは、中国の象棋(シャンチー)、朝鮮半島のチャンギなどよりは共通点が多いように思います。

もちろん、異なる点も多数あります。
中でも、取った敵駒を持ち駒にして再利用できるというのは日本の将棋の最大の特徴といえますが、このようなルールは、マークルックを含めて、どの国・地域のチャトランガ系ゲームにも見られないようです。

(つづく)

世界と日本の将棋の雑談3

前回は、チャトランガのインドから西への伝搬について触れましたが、今回は東、中国方面です。

中国の象棋(シャンチー)が、インドから西のチャトランガ系ゲーム(チェスなど)と異なる点はいくつかあります。
たとえば、外形的には、
1)盤のマス目ではなく、直線の交点に駒が置かれること。
2)立体的な駒ではなく、丸い木片に文字を記載していること。
3)先手・後手で駒の名前が異なること。

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駒の動きもけっこう違います。

将(師):王に相当しますが、縦横1個ずつしか動けません。また、自陣中央の斜め線が入った9箇所(九宮)からは出られません。さらに、将と帥が(他の駒が間に入らない状態で)直接向かい合うことはできません。

士(仕):斜めに1個ずつの動きですが、九宮からは出られません。

象(相):チャトランガなどの象と同様、斜めに2個動けますが、進路(斜めに1個先)に他の駒があれば、それを飛び越えて動くことはできません。また、中央の河を渡ることができません。

馬(片方が「にんべんに馬」の字体):八方桂ですが、前後左右に他の駒があれば、その方向には動けません。

車(片方が「にんべんに車」の字体):チャトランガなどの車(船)と同じです。

炮(砲):車と同じく前後左右の直線上を動きますが、敵駒を取るときは、間に他の駒ひとつ(敵味方を問わず)を飛び越える必要があります。

兵(卒):前に1個ずつ。ただし、河を越えると、横にも1個ずつ勧めるようになります。



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ちなみに、韓国・朝鮮には、チャンギという似たゲームがあります。
シャンチーとの主な違いは、

1)駒が八角形
2)中央に河がない(なので、象は敵陣にも進める)。
3)将(帥)に相当する駒は楚(漢)で、楚・漢が直接向かい合う状態になり、相手側も解消しなかったら引き分け。なお、九宮に相当する部分から出られないのは同じだが、斜め線上も動くことができる(士も同じ)。
4)象は、前後左右に1個進んでから斜め2個進む。その進路上に他の駒があれば飛び越えられないのは同様。
5)包は炮(砲)と異なり、単なる移動(敵駒を取らない)の際も他の駒ひとつを飛び越える形でないと動けない。
6)兵は、最初から前と横に1個ずつ進める。
7)車や兵は、斜め線上を進むことができる。

などです。

同じ東アジアではありますが、日本将棋ともけっこう違いますね。
なお、シャンチーはベトナムでも指されているようです。

(つづく)

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